12.06.9 - 棋書感想, 雑記    No Comments

【棋書感想】最新戦法マル秘定跡ファイル

関西若手四天王の一人である村田顕弘氏の書かれた本。

目次:
第1章 ゴキゲン中飛車対策 丸山ワクチン …… 5
第2章 四間飛車穴熊対策 銀冠 …… 35
第3章 石田流対策 居飛車穴熊 …… 53
第4章 一手損角換わり対策 早繰り銀 …… 93
第5章 横歩取り5二玉型対策 …… 127
第6章 相振り飛車(3手目6六歩) …… 155
第7章 2手目3二飛対策 相振り飛車 …… 181
第8章 参考棋譜 …… 211

1~7章の章末にはコラムがあり、こちらも読んで面白いものになっている。
また巻末には後書きがあり、筆者の思いがひしひしと伝わる。
さて、詳しく各章について感想を述べよう。

第1章は丸山ワクチン。
居飛車が左美濃に囲い、強く戦うことになる。
指すことがないのでざっと読んだだけだが、
囲いの形を場合に合わせて変化させていくのが見られた。
私好みの将棋で、もしゴキ中対策が対策が必要になったなら、
本書を参考に丸山ワクチンを指すだろう。

第2章は後手四間飛車穴熊対策。
広瀬章人氏の『四間飛車穴熊の急所』で第7型、
後手四間穴に対する位取り銀冠に似ているが内容は別物だ。
具体的には銀冠が端歩を省略し、
第7型になった時点で本書では居飛車良しとしており、
それ以外の形の四間穴対策について述べている部分が多い。

先手で四間穴を使う私はあまり参考にならなかった。
恐らく使い方としては居飛車党が『四間飛車穴熊の急所』を読み、
さらに他の形の補間として本書を読むと良いと思われる。

第3章は対石田の居飛穴。
相穴まで扱っており、関連書籍として戸辺誠氏の
『石田流の基本【本組みと7七角型】』がある。
こちらも似て非なる局面を扱っており、上記の本を読んだ上だと
石田側の駒組みがやや甘く感じた。
しかし基礎として扱う分には充分な研究が書かれており、
『石田流の基本』と並行して読めば手強い作戦として
使えるのではないかと感じた。

第4章は一手損角換わり対早繰り銀。
こちらは最新の変化を扱っている模様。
しかし私が一手損を指さないため、詳しくはわからない。
申し訳ないが、この章に関しては他の感想などを参照して欲しい。

第5章は横歩取り5二玉型対策。
手厚く、攻撃的な将棋が多い。
横歩先手は持たないが、もし持つことになれば本書を参考にするのは間違いない。
具体的には本章は8五飛型と8四飛型にわかれており、
対8五飛に固く囲うのではなく、5筋に位を中飛車に振り、
5二玉を直接的に咎める指方が紹介されている。
対して8四飛型には

1.6九玉~5九金と深く囲う(中原囲いの変形?)
2.5六歩~5五歩と位を取る(手厚い陣形で押さえ込み)
3.1六歩~1五歩と端を狙う(手早く囲って攻める)

にわかれ、私なら二つ目の作戦の手厚い陣形で指したい。

第6章は3手目6六歩の相振り。
私としては、本書最大の目的にして期待を込めていた章である。
事実、私は本書のおかげで6六歩が復権した。
簡単にまとめると、
対穴熊:矢倉から受け切り
対美濃:金無双から先攻
が本書推奨の方針。

指し手としては今までの6六歩型の相振りの良いところを抽出したイメージ。
この将棋は矢倉化の一途を辿っていると感じた。

第7章は2手目3二飛対策の相振り。
ページは割かれているのだが、通常型に戻ったような将棋が多く、
3二飛対策と言うよりは相振りの力をつけるものになっている気がした。

第8章は参考棋譜。
1~6章に対応する棋譜が紹介されている。
あまり見かけない将棋も多いのでこれは参考になると思われる。
以上、各章について低級の感想である。

ご覧のようにB級でなく、第一線のA級戦法でもない将棋が多く紹介されており、
アマチュアには嬉しい書籍だと思う。

特に私は後手棒銀や後手矢倉左美濃などを好んで指すくらいなので、
私個人としては非常に満足のいくものだった。